チーム学校スペシャリスト養成講座[教育相談]2日目 レポート

チーム学校スペシャリスト養成講座[教育相談]2日目が、10月24日(土)に開かれました。今回の講師は、愛媛大学の信原孝司氏、愛媛県公立学校スクールカウンセラーの徳田美保氏、今治明徳短期大学の寺川夫央氏です。

 まず、信原氏から「チーム学校と教育相談の実際」と題して、具体的な事例をもとに教育相談にかかわる「チーム学校」についての講話がありました。教育相談にかかわる職種としては、校長、生徒指導主事、特別支援コーディネーター、養護教諭のほか、心の教室相談員、スクールカウンセラー(SC)、スクールソーシャルワーカー(SSW)など、種々のものがあります。役割を分担し協力し合うことで、いじめや不登校、特別支援教育、貧困など子どもや家庭の多様な課題、さらには教員の多忙化に対応することができます。学校内での協働に関する具体例を挙げていただきました。その例から、学級担任の個人的な努力で課題が解決できるものではなく、関係者の協力体制が不可欠であることを再確認しました。

 徳田氏の講話は、「チーム学校における様々な職種とその役割」というもので、不登校やいじめ、自殺や自傷行為、児童虐待、LGBTQなどへの対応について、SCの経験をもとにした内容でした。様々な問題に対応していくためには、勤務日数や勤務時間が限られていて柔軟な対応がしにくく、顔の見える連携が難しい現実があること、学校によって「チーム学校」の捉え方や対応に大きな差があることなど、課題もあるということでした。特に、認知件数が過去最多になったいじめに関しては、SCでは発見は難しく、その後のかかわりをいかにスムーズに行えるかが大切だということでした。また、SCにも個性があり得手不得手があるということなどのお話から、よりよい協働のあり方を改めて考えさせられました。

 寺川夫央氏の講義は、「連携協働の実際」と題したグループワークを中心にして行われました。事例1(虐待)、事例2(いじめ)について、参加者が4~5人のグループに分かれて、どの職種がどのように関わればよいかということを話し合いました。職種としては、校長・教頭、生徒指導主事、学級担任、養護教諭などの教員やSCやSSWなどです。個人ワーク、グループワーク、全体でのシェアと寺川氏からの解説、という流れで行いました。グループの構成は、大学生や現職教員、支援員、保護者など様々で、それぞれの経験や立場からの意見があり、気付かされることが多くありました。情報共有をしたり相談体制を整えたりすることなど、よりよい連携・協働に向けて考えを深めることができました。

 第3回の講座は、11月28日(土)に予定しています。引き続き、今回の先生方にご講話いただくことになっています。

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