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(書写書道研究室)9:00~17:00(平日のみ)

愛媛大学と三輪田米山

愛媛大学では、江戸から明治にかけて現松山市久米の日尾八幡神社の神官であった三輪田米山の作品の収集、研究、公開を行っています。代表的な資料に、師範学校から愛大の教員になった浅海蘇山が収集した『米山日記』があります。これは愛媛大学図書館に収蔵されています。また、米山の碑文は愛媛県内各地にあり、これらの調査活動も継続的に実施しています。

米山研究の第一人者とも言える故 浅海蘇山氏は、愛媛大学の教官として在籍中に『米山 人と書』を出版します。蘇山氏は書家としても著名であり、沢山の作品を残しています。愛媛大学では、氏の作品や研究を紹介して参ります。


日尾八幡神社


徳川神社

愛媛県内の神社には神名石等に揮毫された米山の碑文が100件以上現存しています。これらには干支が刻まれるために年齢ごとの基準例と考えることでき、資料的な価値があります。

 

作品の収蔵

愛媛大学では従前より米山の名作を収集しています。収蔵された作品はは図書館に収蔵され、定期的に公開されています。これらの作品は、米山が我が家で書いたという情報等、作品だけではわからない貴重な情報も含まれていることがあります。収集した作品は丁寧に補修しています。


鳥啼山客猶眠


米山日記

作品の研究

愛媛大学が誇る収蔵品として『米山日記』があります。米山日記は米山研究者として第一人者である故 浅海蘇山によって何度も翻刻されています。浅海蘇山の展覧会などで貸借した研究資料を分析し、米山研究者としての浅海蘇山の研究をまとめるとともに、米山日記の活字化の作業を続けています。


浅海蘇山の米山研究書


米山日記原本とその翻刻資料

作品の公開

愛媛大学ミュージアムにおいて年1回、米山と米山に関わる資料や作品を公開しています。米山の作品を毎年公開している機関は限られ、愛媛県内は元より県外からも米山ファンが見学に来られています。


米山と浅海蘇山の作品


米山と浅海蘇山の作品

愛媛大学で過去開催の米山関係展覧会

第1回 三輪田米山の書 (2010.8~2011.3)
第2回 米山 仮名の美 (2011.9~2012.3)
第3回 少字数書の造形 (2012.10~2013.3)
第4回 二行書 氣韻生動 (2013.10~2014.1)
第5回 三輪田米山名品展 (2014.4~2014.8)
第6回 米山と蘇山Ⅰ (2015.3~2015.8)
第7回 米山と蘇山Ⅱ (2016.4~2016.8)
第8回 米山 多様な美の形 (2017.4~2017.7)
第9回 三輪田米山展 ―屏風作品を中心に― (2018.4~2018.7)

三輪田米山関連文献

<単行本>
浅海蘇山『米山 人と書』(墨美社 1969)
横田無縫他『三輪田米山游遊』(木耳社 1994)
成田山書道美術館監修 『三輪田米山の書 近代という憂いのかたち』(里文出版 2004)
鄭麗芸『文人逸脱の書』(あるむ 2008)
小池邦夫『三輪田米山の芸術―鳥舞魚躍』(清流出版 2008)
米山顕彰会編『米山の魅惑』(清流出版 2008)
三浦和尚・福田安典『米山日記を読む』(創風社出版 2011)
髙澤浩一『三輪田米山 魂の書』(芸術新聞社 2016)

<雑誌・図録>
三宅武夫『墨美 三輪田米山』通巻131号 墨美社 1963
坪内龍泉『墨美 米山石文』通巻133号 墨美社 1963
谷川徹三他『墨美 収集家・山本発次郎』通巻158号 墨美社 1966
『墨美 米山臨十七帖』通巻193号 墨美社 1969
『書道グラフ 特集-三輪田米山拓本集』通巻222号 近代書道研究所 1974
『近代日本の書』「墨」10月臨時増刊 芸術新聞社 1981
『墨 特集-三輪田米山』通巻51号 芸術新聞社 1984
『墨 特別企画=三輪田米山』第88号 芸術新聞社1991
『三輪田米山名作展』 愛媛県立美術館 1990
『三輪田米山石文展』 愛媛県立美術館 1996
『雄大・純朴の書 米山』 日本書芸院展役員展 2006
『三輪田米山特別展』 三輪田米山特別展実行委員会 2014

<その他>
高市俊次『瓢壺の夢』 新人物往来社 1987  (歴史小説)
愛媛子どものための伝記刊行会『愛媛子どものための伝記 第17巻 吉田蔵沢・下村為山・三輪田米山』 愛媛県教育会 1988
松山市教育委員会『ふるさと松山学 語り継ぎたいふるさと松山 百話』2011(米山の伝記的紹介)