愛媛大学代数セミナー

2026年度の講演予定・講演記録

  • 第110回 : 2026年7月24日(金) 16:30--17:30
  • 場所 : 愛媛大学理学部2号館(数学棟)2階 大演習室(201) (対面開催のみ。参加をご希望の方は直接現地にお越しください。)
  • 講演者 : 行田 康晃 (名古屋大学)
  • 題目 : 一般化マルコフ数とマルコフ--ラグランジュスペクトラム
  • 概要 : 古典的なマルコフ数の理論では、マルコフ方程式 x^2 + y^2 + z^2 = 3xyz の正整数解に現れる整数が重要な役割を果たす。このような整数をマルコフ数という。マルコフ数は、ディオファントス近似、すなわち無理数を有理数でどれほどよく近似できるかという問題と深く関係しており、マルコフ--ラグランジュスペクトラムの離散部分を記述することが知られている。
    本講演では、この古典的な対応を、一般化マルコフ方程式 x^2 + y^2 + z^2 + k_1 yz + k_2 zx + k_3 xy = (3 + k_1 + k_2 + k_3)xyz に付随する一般化マルコフ数の枠組みへ拡張する方法について解説する。ここで k_1, k_2, k_3 は非負整数であり、この方程式の正整数解に現れる整数を一般化マルコフ数と呼ぶ。
    主定理として、(k_1, k_2, k_3)-一般化マルコフ数 n と、それが解のどの位置に現れるかを表す添字 i から定まる量 √(((3 + k_1 + k_2 + k_3)n - k_i)^2 - 4)/n が、ある二次無理数のマルコフ--ラグランジュ定数として実現されることを紹介する。
    これは、古典的なマルコフ数とマルコフ--ラグランジュスペクトラムの関係が、一般化マルコフ方程式の設定においても自然に現れることを示すものである。本講演では、古典的なマルコフ数の理論を出発点として、一般化マルコフ数の構成、対応する二次無理数の作り方、そして得られるマルコフ--ラグランジュ定数との関係を概観する。