2000年に策定された「スポーツ振興基本計画」では、国のスポーツ政策として、生涯スポーツ社会の実現に向けた地域におけるスポーツ環境の整備充実について記されています。その中で、総合型地域スポーツクラブの全国展開は必要不可欠な施策とされ、それ以後、今日のような総合型地域スポーツクラブの活動が推進されてきました。
愛媛大学でも2004年から2年間、日本体育協会の「総合型地域スポーツクラブ育成支援指定クラブ委託事業」による補助を受けてクラブ設立の準備を行い、2006年4月1日に国立大学では初となる愛媛大学総合型地域スポーツクラブを正式に設立しました。設立準備の2年間を含めると、クラブの活動は今年4月で10年を経たことになります。クラブで作成している報告書をもとに概算すると、この間、2,500余名の会員と400余名の学生スタッフ、17名の教員が活動に参加しています。会員の方は松山市全域・近郊の比較的広い範囲から来られており、地域性という観点からすると、校区を範域とした地域密着型のクラブとしての性格はやや薄いのですが、広域エリアの人々にスポーツや運動の機会を提供し、交流を促進するという機能は十分に果たしてきました。また、クラブで貴重な指導経験を積むことができた学生スタッフは、各界で活躍しています。
地域の方々と大学の学生・教員で構成され、活動するというクラブのあり方は今後も変わることはありませんが、広報活動等を通して、より多くの方に関心を持っていただくとともに、スポーツ教室の枠を越えた活動を行い、地域にあって、地域とともに活動するクラブとして発展していくことを目指していきたいと思います。
愛媛大学総合型地域スポーツクラブ
会長 藤原 誠
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