愛媛大学総合型地域スポーツクラブ
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 クラブ設立の趣旨

 

 今,日本は危機を迎えています.1990年代に始まったといわれる終身雇用制や年功序列制に代表される日本型システムの崩壊とともに,アメリカ型の競争社会になりつつあります.このような流れの中,高齢者は健康問題や年金問題を抱え,自分を支える地域がなくなりつつあるため将来不安になりお金を使いません.その結果,消費が伸びず,容易に経済が回復しない状況です.また,子どもたちに目を向けると,地域共同体の崩壊がもたらしたといわれる学級崩壊や不登校などの教育問題が深刻化しています.この閉塞感を打開する糸口として総合型地域スポーツクラブがあげられます.

 総合型地域スポーツクラブのキーワードとして,第1に,3つの多様性があります.様々な種目があるクラブ,多世代が共に参加するクラブ,異なる競技レベルがあるクラブです.第2に,あるものとあるものを「つなぐ」ことです.スポーツ指導者をつなぐ,小学校,中学校,高校,大学など学校をつなぐこと,などがあります.第3に,自主運営です.行政がやっていたものを,自分たちが行うことです.

 文部科学省によると,総合型地域スポーツクラブは,2005年7月時点で,全国783市町村で2115箇所が設立済みか設立準備中です.その中で,愛媛大学総合型地域スポーツクラブは,国立大学法人で初めて2006年4月1日に総合型地域スポーツクラブを設立しました.

 愛媛大学総合型地域スポーツクラブは,第1に,子どもの健全な育成成人の健康・体力づくりを図るために活動します.第2に,チャンピオンシップスポーツをサポートし,2017年の愛媛国体に向けスポーツ科学からの貢献を目指します.第3に,愛媛県下の総合型地域スポーツクラブの設立や育成を支援します.また,愛媛大学総合型地域スポーツクラブの独自性は,教職員,学生,地域の人が連帯するところにあります.特に,学生とともにクラブを運営することで,地域に貢献できる優れた指導者の輩出が期待できます.

 今はオンリーワンのクラブですが,10年後,ナンバーワンのクラブにするために努力します.