チーム学校スペシャリスト養成講座(教育福祉編 第1日目)開講!!

8月5日(水)から8月7日(金)の3日間は、教育福祉がテーマです。
1日目の今日は、愛媛大学教育学部の金子省子氏、藤田昌子氏、松山市子ども総合相談センターの森徳子氏と高田美紀氏にご講話をいただきました。
まず、金子氏から、「子ども・家族福祉と学校」と題して、家族福祉の視点からのお話がありました。子ども以外の家族成員の自己実現も重視していく観点から、「児童・家庭福祉」「子ども・家族福祉」という言葉を紹介いただきました。母親中心の育児のつらさや児童虐待の多発等、構造的な育児困難が問題となっています。1990年代以降、数々の少子化対策と子ども・子育て支援策が講じられてきました。日々子どもとかかわり、親の姿も見える関係での支援や関係諸機関との連携など、学校が果たすべき役割について考えを深めることができました。
藤田氏からは、「子どもの貧困と学校」についての講話がありました。まず、日本の貧困状況にいる子どもの割合が「約7人に1人」であるというお話に驚かされました。現代の貧困の特徴は、経済と他者との関係性の貧困に加え、意欲や自信、自己肯定感といった重要なものが奪われている状態であるということです。学校として取り組むべきこととして、子どもの貧困の実態を知ること、学習を通して生活力を身に付けさせること、スクールソーシャルワーカーとの連携や子ども食堂など地域との連携といった具体的な手立てを示していただきました。貧困を社会構造的な問題として捉え、学校・地域を巻き込んだ意識改革が必要であることを  改めて考えさせられました。
森氏、高田氏からは、松山市子ども総合相談センターの体制や業務内容等について紹介していただきました。センターでは、松山市に住む0歳から18歳までの子どもに関する、子育て、虐待、いじめ不登校、問題行動等の相談窓口と、子どもからの電話相談「いじめほっとらいん」を開設し、さまざまな相談に対応しているということでした。
虐待対応について、松山市要保護児童対策地域協議会についてご説明いただきました。この協議会は、児童福祉法に基づき市区町村が設置するもので、支援対象児童等に関する情報交換や支援内容の協議等を行うために、関係機関等によって構成されています。子ども総合相談センターは、運営の中心を担っているということでした。また、通告を受けてからの対応の流れなども説明いただき、虐待の早期発見・早期対応につなげるために、学校における「発見・通告」と他機関との連携が重要であることを再確認することができました。

 

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