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教育福祉編 第2日目

2日目前半は、松山東雲女子大学の友川礼氏に「スクールソーシャルワークの可能性―学校と福祉の協働の実際と課題―」と題してご講話をいただきました。

友川氏はスクールソーシャルワークとは、「問題を抱えた児童生徒の課題解決のために、各分野の専門家が本来の力を発揮できるよう、誰を登場させるか、どのタイミングで関わるかを『台本』に書くようなもの」と表現されました。スクールソーシャルワーカー(SSW)の職務としては、問題を抱えた児童生徒への相談活動や教職員と保護者との間の橋渡し、校内ケース会議への支援などがあります。また、関係機関等への訪問、情報交換や教職員の支援スキル向上のための研修活動等なども行います。

 友川氏から、学校外の施設との連携で対応した例、ネグレクトケースへの対応例を紹介いただき、具体的なスクールソーシャルワークとそれを担うスクールソーシャルワーカーの職務の実際について理解を深めることができました。

 後半は、内子町立大瀬中学校教頭の菅田英治氏にご講話いただきました。菅田氏は、児童相談所指導主事のご経験があります。

 児童相談所は満18歳に満たない子どもを対象にした児童福祉法に基づく施設で、子どもの福祉にかかわる機関の一つです。児童相談所の相談業務内容には、養護相談、非行相談、育成相談、心身障害相談等があり、養護相談に含まれる被虐待児童が急激に増加中とのことでした。愛媛県でも令和元年度、過去最多となっています。

 虐待は、解消してもトラウマとなって暴力的行動や破壊的行動、自傷行為につながること、ネグレクトによって他人とうまくかかわれない「愛着障がい」を引き起こすことなど、経験を基にお話をしていただきました。

 学校ができることとして、虐待が疑われる場合の児童相談所か警察への速やかな通告、子育てや虐待・体罰禁止について保護者の意識啓発をすることを示していただきました。

お二人のお話から、教育と福祉が協働することで、問題を抱えた児童生徒への支援の幅と可能性が広がることを実感しました。

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