2013年度理科研修会活動報告
3月8日 第76回理科教育研修会「地域素材を活用した岩石標本の作成」
3月8日(土),今年度最後の理科教育研修会(教材研究プロフェッショナル講座)を開催しました。第68回参加者意見の中に地域の地質や岩石についてもっと知りたいという要望があったため,まず,愛媛県及び諸国の地質についてその成り立ちと構成を説明し,その後,愛媛県で採集した様々な岩石の観察のポイントについて学習しました。最後に,学校の理科の時間で使用できそうな様々な岩石試料を提供して終了しました。今回の参加者は,小学校教員2名,中学校教員1名,大学生1名の,計4名でした。(実施担当者:佐野 栄)
2月1日 第75回理科教育研修会「学生企画による教材研究ワークショップおよびえひめ高校生サイエンスチャレンジ2013発表会」
第75回理科教育研修会は,第一部大学生による教材開発ワークショップと第二部えひめ高校生サイエンスチャレンジ発表会の二部構成で行われました。第一部は,教育学部1回生「理科教育実践研究Ⅰ」履修生がICT機器を使った実験の紹介と討論が行われました。参加者は学生・大学院生10名(発表者8名を含む),小学校教員1名,高校教員3名,センターその他4名,大学教員3名の計21名の参加でした。現職教員から様々なご指摘等をいただき学生にとって大変有意義な時間となりました。午後は,会場を総合情報メディアセンターに移し,県内高校生による研究発表会が行われました。県内から37チーム100名以上の高校生による口頭・ポスター研究発表が行われました。大学生に引けを取らない発表と質疑が行われていました。(実施担当者:隅田 学・向 平和・大橋淳史)
1月25日 第74回理科教育研修会「粒子領域の新たな教材(小・中・高」
キャンセルになりました
12月21日 第73回理科教育研修会「サイエンスカフェ 理科教材の情報交流」
12月21日(土)午後3時より,第73回理科教育研修会を実施しました。昨年末開催した「教材自慢大会」を引き継ぐ内容です。「フクロウのペリット」「鳥の羽標本」「簡単に作れる教材・教具」「天体写真の撮り方と画像処理」「ペルチェ霧箱について」の5件の教材紹介がありました。大学院生が紹介した「ペルチェ霧箱」では,実演時に放射線の軌跡が明瞭に観察でき,参加者の興味を引いていました。また,フクロウのペリットをほぐして小動物の骨を取り出したり,きれいな鳥の羽の標本を観察したりしました。さらに,安価に作成できるペーパークラフト教材が紹介されたり,話題に尽きない研修会となりました。参加者は,現職教員5名,教育委員会1名,動物園1名,元教員1名,大学院生5名,学部生5名,大学教員3名の合計21名でした。第2部では,場所を移動して,情報交換会を開催しました。こちらには13名が参加しました。(実施担当者:向 平和・日詰雅博・佐野 栄)
11月16日 第72回理科教育研修会「日常生活と化学」
11月16日(土)に,第72回理科教育研修会を実施しました。参加者は小学校教員1名,高等学校教員1名の計2名でした。最初に酸・塩基を用いたミカンのはく皮の実験を行いました。塩酸や水酸化ナトリウムが身近なものに利用されていることを実感できるものとの感想を頂いています。その後,参加者の方と相談し,高分子の合成ではなく,ギンナンの悪臭を果実臭に変換する実験を行いました。エステル化を利用したものですが,高校の導入実験に利用したいとの話も聞くことができました。参加者は少なかったものの,有意義な時間を過ごすことが出来たと考えています。(実施担当者:熊谷隆至)
10月19日 第71回理科教育研修会「プロジェクトWILD」
10月19日(土)に,第71回理科教育研修会を実施しました。中学校教員1名,高等学校教員1名,大学教員1名,教育学部学生6名,農学部学生1名の計10名が参加され,環境教育プログラム「プロジェクトワイルド」の一般指導者講習会として実施しました。当日は小雨が降りましたが,参加者はプロジェクトワイルドの内容やその学習方法の理論について,体験しながら学びました。10名の参加者が無事,プロジェクトワイルド一般指導者資格を取得しました。(実施担当者:向 平和)
8月25日 第70回理科教育研修会「『振り子』教材の深化・拡充」
2013年8月25日(日)に,第70回理科教育研修会を愛媛大学教育学部理科共同学生実験室2で実施しました。テーマは「『振り子』教材の深化・拡充」で,隅田学准教授と白濱弘幸教授が担当しました。現職教員5名(小学校4名,高等学校1名),大学生1名の計6名が参加しました。
今回の講座では,「振り子」教材の教育的意義とその発展的取り扱いについて,科学的・歴史的・哲学的・技術的な観点から検討し,実践的に研修を行いました。学校理科では,「振り子」といえばガリレオ・ガリレイがよく紹介されますが,実際にガリレオが行ったことにどのような意義があったのか,それが現代社会にどのようにつながっているのかについて触れている教科書はありません。今回は,ガリレオ・ガリレイの偉大な点やその後の発展,ホイヘンスやフーコーの業績も共有しながら,現代的なその利用や発展について学びました。簡単にできる正確な実験や計測の工夫点も学びました。iPadを使った計測や,電子黒板を用いた複雑なデータの可視化・共有化の方法について実践的に学ぶと共に,本講座のために開発された非線形振動コンピュータシミュレーションも試しました。
限られた時間ではありましたが,「振り子」という教材について,その科学的意義,物理学的意義,社会技術的意義,教育学的意義について,活発な意見交換を通して,理解を深めることができました。(実施担当者:隅田学・白濱弘幸)
7月20日 第69回理科教育研修会「微生物の観察」
2013年7月20日(土)に第69回理科教育研修会を愛媛大学教育学部理科共同学生実験室2で実施しました。テーマは「微生物の観察」で,日詰雅博教授,向平和准教授,中村依子講師が担当しました。現職教員5名(小学校4名,中学校1名),教育センター1名,大学生1名の計7名が参加しました。まず,微生物やプランクトンの定義の確認を行い,最近のプランクトン図鑑で使用されている顕微鏡の種類について説明しました。その後,実際に日詰教授が準備されたオオヒゲマワリやゾウリムシの観察を行いました。また,家山先生より提供していただいた煮干しから二枚貝の幼生なども観察できました。微生物の観察で教員が難しいと感じることとして,何が観察できるかわからない点と逆に必ず観察できる物を用意することできない点があげられます。今回の研修会ではパイプ洗浄剤を用いたケイソウ殻の永久プレパラートの作製を行いました。このプレパラートを用意することで必ずケイソウ殻の観察ができます。参加者達はたくさんの永久プレパラートを作製して持ち帰っていました。途中には暗視野コンデンサーで微生物を観察しました。とてもきれいな観察像に歓声があがりました。(実施担当者:日詰雅博・向平和・中村依子)
6月8日 第68回理科教育研修会「面河川の川原の石・千本高原の高温石英」
2013年6月8日(土)に第68回理科教育研修会(2013年度第2回)を久万高原町で実施しました。当日は梅雨入り後で天候が心配されましたが,奇跡的に好天に恵まれ,初夏の気持ちよい野外観察となりました。参加者は,現職教員6名(小学校2名,中学校2名,高等学校2名),大学生・大学院生7名,大学教員2名の計15名でした。最初に久万高原町美川支所裏の御三戸川原で川原の石の採集を行いました。現地で岩石標本ボードの作成をおこないました。その後,千本高原に場所を変え,高温石英の採集を行いました。(実施担当者:佐野 栄)
5月25日 第67回理科教育研修会「春の自然観察 −皿ヶ嶺−」
2013年5月25日(土)に第67回理科教育研修会(2013年度第1回)を皿ヶ嶺で実施しました。テーマは「皿ヶ嶺の自然散策」で,日詰雅博教授,佐野栄教授,向平和准教授,中村依子講師が担当しました。現職教員4名(小学校3名,高校1名),動物園職員1名,大学生・大学院生11名,引率教員4名の計20名が参加しました。ブナなどの落葉広葉樹が新緑の葉を広げかけたころで,多くの野草が花期を迎えており,最高の自然散策になりました。皿ヶ嶺森林公園の駐車場に集合したあと,午前10時に風穴付近から始めて,ゆっくりと3時間かけて竜神平,皿ヶ嶺山頂までの登山道の植物や岩石,野鳥などの自然観察を行いました。皿ヶ嶺について詳しい参加者の大高先生からも植物に関する説明がありました。野鳥については参加者の前田さん(とべ動物園職員)から説明していただきました。観察できた野草は,ヤマブキソウ,コミヤマカタバミ,シコクチャルメルソウ,ネコノメソウ,シロバナネコノメソウ,イチリンソウ,ヤマルリソウ,ミツバテンナンショウ,ツクバネソウ,シコクスミレ,シコクカッコソウ,ジロボウエンゴサク,ジュウモンジシダ,ギンリョウソウ,ウバユリ,エンレイソウ,フタリシズカ,クマガイソウ,イワカガミ,フタバアオイ,ハナイカダなどです。野鳥のさえずりやキツツキのドラミングが聞こえ,日ごろの疲れが大いに癒されました。(実施担当者:日詰雅博・向平和)